Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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情報は東京だけからではない(医事新報Jan/01'07) NEW
2006年12月31日

          情報は東京だけからではない
                  山口県立大学理事長(学長)
                         江里 健輔


このようなタイトルに“何故”と違和感があるでしょうが、日本人、とくに東京に住んで、しかも知識人と称する人に“日本の全ての発信は東京から”と思っている人が多いようだ。
山口県から8人目の総理大臣安倍晋三が誕生し、山口県民の期待は東京に住んでいる人には想像できないほど大きい。そのような中で、安倍総理が官房長官時代に、奥様の昭恵夫人が山口県をイメージしたドレス作りたい、一方、私が勤めている山口県立大学の環境デザイン教授およびその教授のセミナーを受けている学生さんが一緒になって作ってあげたいという両者の話がまとまって、産学共同で作成することになった。たまたま、仮縫いの日が安倍総理誕生の直前であったので、注目され放映された。その放映の中であるコメンテーターが
「どうして、地方の県立大学なの?」
と疑問を投げかけた。
このコメンテーターにとってはその言葉に深い意味はなかったのであろうが、当時者の私は大変傷ついた。多分、今、話題のの奥様のドレスならば当然「東京から」という非常識な思いがあり、それが山口県のような地方からであったので、サプライズを感じたに違いない。
どうして
「良かったですね。東京ではなく、地方からの発信が凄い」
という言葉が出て来なかったのかと憤りを覚えずにはおれない。
安倍総理夫人は多忙な主人に代わって山口県に出来るだけ滞在し、山口県民とのふれあいを大事にされ、地方の活性化を常日頃より期待しておられ、少しでも役立ちたいと、山口県特産の夏みかんをイメージしたカラーで、さらに、山口大学が開発した白色発光ダイオードが埋め込まれ、すべてが山口県の特徴を全面に表わしたもので、昭恵夫人の強い思いがドレスに吹き込まれている。
常日頃から感じるのであるが、東京から発信されるコメンテーターの発言は東京中心で、地方に住んでいる人々にはなじまないことが多い。地方から発信された出来事には地方独特なものが多く、地方の事情を良く理解してコメントをしてほしいものである(炉辺閑話)。



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