Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

笑いましょう、健康のために NEW
2007年05月30日

笑いましょう、健康のために
       山口県立大学理事長(学長)
               江里 健輔

「笑い」が健康によいことは経験的に知られていましたが、これまで学会で取り上げられることはほとんどありませんでした。しかし、驚いたことに、第27回日本医学会総会に取り上げられ、「笑い」が中枢神経系の機能を改善することが判ってきました。科学が進歩すればするほど、科学的には証明出来ないこと、例えば、霊感などが持ちはやされるのは世の常ですが、一見、非科学的に思える「笑い」に科学的な側面があり、その効用には目を見張るものがあるようです。この総会で、中央群馬脳神経外科病院・中島英雄理事長が基調講演で「笑い」が体内に及ぼす影響を報告しています(メデイカル・トリビューン、2007,5,17)。それによれば、61人を対象に「笑い」の前後の脳波を調べたところ、リラックスを示すα波や元気になることをしめすβ波が共に増えた人は29人、どちらかが増えた人は20人で、その上、癒しを示すセロトニン濃度や生体の活性化をしめすドパミンが高くなり、血小板凝集能(血液が固まる能力)が低下し、脳血流量が増加するなど体にとって都合の良いことが証明されたということです。この結果より、中島理事長は「笑いによって身体のなかで何かが変化しているのは確かである」と述べています。
笑いのメカニズムは何らかの出来事を感じ、それを認識した時、そのストレスに対抗するホルモンが放出され、危機の回避あるいは逃避となり、それが癒しのホルモンを体内から放出し、安心、安堵、安全を感じ喜びとなり、「笑い」が自然に発生し、このことより、笑いには@ストレスを軽減し、A閉じていた心を解放し、B雑念を吹きとばし、心を空にする、といった作用があるとされています。
私の長い外科医の経験では手術前に必要以上に心配され、疑心暗鬼になっておられる患者さんには不思議に術後合併症が多く発生し、「私はまな板の鯉みたいなものだから、先生、好きにして」とあっけら感に気持を表す患者さんには術後合併症がすくないような気がしてたまりません。これは全く根拠のないことで、医師として極めて不謹慎ですので、信用できませんが、単なる私の感じです。
あの有名なバーナードショウが性格が楽観的か悲観的かを見分けるもっとも良い方法を訊ねられた時、彼はウイスキーの瓶にアルコールを40%ぐらい入れて、ウイスキーが
「40%も残っている」
と見るか
「40%しか残っていない」
と見るかで性格が判ると言ったそうです。勿論、前者は楽観的で、後者は悲観的な性格の持ち主です。
さあ、読者の皆さんはどちらでしょうか?
「今日が終われば、明日がある」と考えようではありませんか?



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