Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

コーヒーで体重減少、がん抑制を
2007年12月05日

           コーヒーで体重減少、ガン抑制を
                   山口県立大学理事長(学長)
                          江里 健輔


コーヒーが体重減少、ガン抑制に有効であることが最近沢山報告されています。国立病院機構京都医療センター予防医学研究部の坂根直樹室長はコーヒーが体重の減少、筋肉率の上昇、収縮期血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの低下をもたらすと報告しています。
体重のマーカーであるBMI(Body mass index)値に一喜一憂しておられる方が多いでしょうが、BMI値が高くなるのはあまり身体には良くないようです。
こんな報告があります。
オランダのグループは12万852人(対象年齢55〜69歳)を約13年間追跡し、 BMI、身長、食道ガン、胃噴門ガンとの関係を調べた結果、食道および胃噴門部ガンの発症率は正常体重群に比べ、過体重群(BMI25.0〜29.9)ではそれぞれ1.4倍、1.32倍、肥満群(30以上)では3.96倍、2.73倍であったと報告しています。(メデイカル・トリビューン2007,11,15)。

日本の研究者も同じような報告をしています。
名古屋大学大学院予防医学の若井建志准教授は3万393人(平均年齢55.7歳)を対象として1985年から15年間胃、大腸、肝臓、膵臓、肺ガンなどの死亡率とコーヒー飲用量との関係を調べています。この報告によりますと、コーヒーを飲まないグループの死亡率を「1.00」とした時、ガン死亡率比は1日2杯未満:0.90,2杯から4杯:0.84,4杯以上:0.67であり、コーヒー飲用量と全ガン死(1641人)との間には負の関係、すなわち、コーヒーを沢山飲めばガン死亡が少なくなったとのことです、特に、肝臓ガンでもっとも顕著であったということです。このようにコーヒー飲用のガン予防効果が証明されたわけですが、だからと言ってむやみに飲用することはあまり勧められません。先述の坂根氏はコーヒーをダイエットに生かすポイントは
1. 空腹時に飲む
2. 寝る前には飲まない
3. 食後のコーヒーを飲んだら、間食しない
4. コーヒーを飲んで運動する
であると述べています。
ご承知のように運動すれば体に貯まった余分な脂肪を燃やし、体重増加を抑えるのですが、コーヒーを飲んだ時の方が酸素摂取量がより増え、ダイエットに適した有酸素運動を高めることになります。
心筋梗塞、脳卒中、高血圧、高脂血症の原因としてメタボリックシンドロームが注目されていますが、コーヒーはこのシンドローム抑制に効果的であると言え、その原因はカフェインが交感神経、副交感神経を高め、脂質代謝を促進するためであるとされています。
何でも過量は体に良くありませんが、1日2〜3杯のコーヒー飲用は長生きする為の一つの手段であることに違いないようです。



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