Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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その他

4つの習慣で14年長生き NEW
2008年02月19日

           4つの習慣で14年も長生き
                  山口県立大学理事長(学長)
                           江里 健輔


平均寿命が延びることは良いことですが、寝たきりの状態や、痴呆状態で長生きするのも問題です。望ましいのは元気で、好きなことが出来る所謂(いわゆる)「健康寿命」が長いことであります。政府は未だ病気ではない、いわゆる「未病」のときに生活習慣を改善することで、「健康寿命」が延びることを期待して、平成12度から2010年を目指した「21世紀における国民健康づくり運動」を開始しました。
この中で生活習慣を改め、生活習慣病を防ぐために@栄養・食生活、A身体活動・運動、B休養・こころの健康づくり、Cたばこ、Dアルコール、E歯の健康、F糖尿病、G循環病、Hガンなどに対し、具体的な目標を定め、その達成のための具体策を示しています(国民衛生の動向、2007,第54巻、第9号)。
例えば、ガンの5年生存率を20%、心臓病死25%,脳卒中死25%,糖尿病発生率20%ずつ改善することなどです。これらが目標とされたのは死の四重奏とされている肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症がいずれも生活習慣に深い関わりがあるからです。
これらを放置しておくと、動脈硬化症となり、心臓では心臓に栄養を送っている血管(冠動脈)が狭くなったり、閉塞して狭心症あるいは心筋梗塞になり、脳では脳梗塞、下肢では足が腐り、肢切断となります。一方、糖尿病が原因で網膜症や腎臓病にもなります。網膜症に罹りますと失明します。これは糖尿病にかかって10年前後から発症し、20年過ぎると、75〜80%が網膜症となります。さらに、腎臓は10〜15年たった後から次第に悪くなり、最後は人工腎臓による透析を受けなければならなくなります。透析を受けるようになりますと、普通の人のような生活をすることは出来ません。問題はこのように、知らず知らずのうちに体が壊され、ある日、突然症状が出ることです。望ましいのはこのような状態になるまでに発見し、予防しておくことです。50歳になれば、定期検査を受けて、早め早めに異常をチェックし、さらに、生活習慣に気をつければ予防出来るものばかりです。これらの予防には、ご承知のように、不適切な食生活をなくし、運動不足、睡眠不足、過剰なストレスなどをさけ、過度な飲酒、喫煙をしないことです。いずれも私達が日常から心がければさけられるものばかりです。

最近興味あるデータが報告されました(CareNet,No.M001580より引用)。
英ケンブリッジ大學の研究チームは英南東部の45〜79歳の健康な住民約2万人を対象に、1993年から97年にかけて2006年までの死亡率と生活習慣の関係を調査しました。その結果、(1)喫煙しない(2)どうしても飲酒したい場合には、1週間にワインをグラス14杯まで、(3)1日に最低こぶし5つ分程度の野菜、果物を取る(4)1日30分ぐらいの軽い運動をするなどの習慣を持っている人はこれらを全く持っていない同じ年齢の人より、病気の死亡率が4分の1と低く、寿命が14年延びるという結果を報告しています。この報告が有意義なことは、これまではどれも健康に良いとはされてきましたが、始めて具体的な数値をはじき出した事です。
さあ、14年元気で生き延びるために、生活を替えるのはご免という意見が出そうですが、果たして貴方はどうされますか?
全ては貴方自身の決断によると思うのですがーーー。



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