Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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風のとき(宇部日報)

困惑する国民 NEW
2008年08月14日

困惑する国民
      
山口県立大学理事長(学長)
               江里 健輔


あまり政治的な領域に口を挟みたくありませんが、どうしても納得出来ない、困惑する事なので申し述べます。
第34回主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が3日間の討議の成果を7月9日に発表して終了しました。その成果について(読売新聞7月10日付け)、民主党の鳩山幹事長は「(地球温暖化対策に関し)先進国だけでも強いメーセージを出すべきだった」として、福田首相の指導力の欠如を非難し、共産党の市田書記長は「どの課題についても先進国として責任を果たせない結果」、社民党の福島党首は「何のインパクトもないご利益もない結論ばかりだ」とそれぞれ酷評しています。この酷評は野党であるから当然かもしれませんが、同紙の別の欄には世界に権威のある且つ信頼されるサミット研究機関、カナダ・トロント大「G8研究グループ」のジョン・カートン代表の評価が掲載されていました。それによると、100点満点で78点にあたる「B+」と評価しています。2000年に行われた沖縄サミット(「B」評価)より高く、サミット33年間の中でも高得点のひとつだと述べ、とくに、地球温暖化問題で京都議定書に代わる枠組みを提示したことを「最大の成果」と位置づけ、福田首相のリーダシップと共に「A」と評価しています。
私は政治評論家ではないので、今回のサミットの成果を評価する能力はありませんが、野党首脳陣と世界で代表的な研究機関の評価があまりに違い過ぎるのに大きな不安と不信を持たざるを得ません。
教育の基本は「褒めて伸ばす」と言われるように、徹底的に褒めろ、それにより、益々やる気を起こし、大きな自己成長に繋がるとされています。褒めることが100%優れていると諸手を上げて賛成するのではないのですが、誰にでも、何かは優れた点がある筈で、少なくともその部分についは褒めるべきでしょう。
しかし、今の政界は政権を取るために自党のイメージを上げ、相手党のイメージを下げることに汲々とし、そのためにオーバーなパフォーマンスに明け暮れ、本音はポケットに封印されたままであるように思えてなりません。相手を攻撃することに手段を選ばなければ、自らが政権に就いた時には相手党から同じ手法で攻撃されることは歴然としています。
私がもっとも恐れているのはこのような政争が我々国民の日常生活に入り込み、自分に不利なことが舞い込むと、自分を正当化するためいろいろな言い訳をし、全ては他人のせいにして、又はそのためには手段を選ばないようになることです。皆さんはどう評価されましたか?


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(ナデシコジャパン、頑張れ(FF:津守さまのメールより)))



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