Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

正月屠蘇にはワインを飲もう NEW
2009年12月23日

正月屠蘇(とそ)にはワインを飲もう
                 山口県立大学学長
                       江里 健輔

お正月の楽しみはなんと言ってもお酒であろう。この時ばかりは誰に遠慮なく、好きなだけ飲んでも、家族は大目にみてくれる。それをよいことに毎日酒にひたり、三ガ日が終わっても、むくれた顔をして仕事始めをする人に出会います。
屠蘇(とそ)は酒、みりんに浸して正月の祝いに飲む薬の名であるが、もっぱら、酒の代名詞になっていますが、私流の思いはこれからの1年を病気することなく、元気で過ごすために飲む祝い薬と解釈したい気持です。
最近、薬代わりにワインが体に良いという研究報告が沢山されていますので、同じアルコールを嗜まれるなら、ワインを、という研究成果を紹介しましょう。
ワーヘニンゲン大学(オランダ)栄養学のストレッペ博士らは1日にワインをグラス半分飲む男性の場合、平均余命が5年間延長する可能性があると報告しています(メデイカル・トリビューン、2009.7,9号より)。それによると、アルコールの種類に関係なく、毎日少量(最大20g)を長期に飲む人の平均余命は、非飲酒者と比べて約2年延長し、ワインだけを1日グラス半分ほど飲む男性はビールと蒸留酒を飲む男性に比べ約2.5年長生きし、非飲酒者と比べて約5年長生きしたとのことです。
「酒は百薬の長」といわれていますが、飲み過ぎが体に良くないことは当然です。その理由は内臓脂肪を増やすからです。アルコールは肝臓で処理されますが、沢山体に入りますと、処理しきれませんので、肝臓に溜まり、やがて、肝機能が低下します。これがアルコール性肝脂肪です。その他、血管を傷めますので、心疾患や脳疾患を来たします。従って、「適度な飲酒」が勧められるのです。具体的には、ビール中ビン1本強(540ml,216kcal),清酒1合弱(160ml,177cal),ワイングラス2杯弱(220ml,157kcal)が適量です。しかし、アルコール大好きな男性が適量で止めることは難しいのですが、健康のためにはその方法を工夫するしかありません。それには時間をかけてゆっくり楽しんで飲む、飲む時は蛋白質やビタミンの多い「つまみ」を摂ることが大切です。満腹感は血中の糖濃度で感じられるものです。摂取した食物が血中で糖に変わるには約20分以上かかります。したがって、早く摂取すると、血中糖濃度が上がるまでにかなりの量を摂ることになります。ゆっくり食べたり飲んだりすると、摂取量に比例して、血中糖濃度がゆっくり上がりますので、適量のアルコール摂取で満腹を感じます。
正月3ガ日の毎日が屠蘇気分ですと、肝臓の仕事が増え、休むことも出来ず、悲鳴をあげているに違いありません。お正月には適量ワインでゆっくり体を休めましょう。



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