Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

妻の教育レベルが夫の寿命に関係する NEW
2010年01月20日

妻の教育レベルが夫の寿命に関係する?
        

思えば見知らぬ女性とある日突然結婚し、それ以来何十年間もその女性の手料理を飽きもせず、美味しい美味しいと云いながら食べて、今も元気であることに、不思議なような気がしますし、感謝もしなければいけないと思っています。今の元気の一つの要因が妻のお陰であると自覚している夫は少ないのではないでしょうか?
「妻の教育レベルが夫婦双方の寿命に影響」という論文を読みました(メデイカルトリビューン、Nov/26'09)。ストックホルム大学スウエーデン社会調査研究所のロバート・エリクソンらは働いているスウエーデン人150万人(30〜59歳)を対象に、1990年に同居している夫婦について、教育レベル、社会階級、社会的地位、賃金と國からの給付金を含む収入に関する情報を、2003年までに登録された死因を調査しました。その結果、夫の寿命は妻の教育レベルと社会的地位に影響したと報告しています。エリクソン教授は「女性は男性より家事の負担が大きいため、女性の教育レベルは食習慣などの家族のライフ・スタイルに関して、男性の教育レベルより重要であるかもしれない」述べています。今の若者は家事をシェアしていますので、食生活が完全に妻に依存しているとは言えませんが、昭和40年台に結婚した世代の夫にとっては食事は100%妻に依存していましたので、エリクソン教授のコメントにはうなずけるところです。
そう云えば面白い話があります。
25歳頃相思相愛で結婚したのですが、どうも奥さんがだんだん夫に嫌悪感を持ちはじめ、今の生活を早く終わらせる方法はないものかと思案したそうです。その結果、次のようにライフ・スタイルを変えました。
@ 夫が仕事から帰っても何もさせない。上げ膳、すえ膳とした
A 健康が大切だからと牛肉中心の動物性蛋白を毎食膳に供えた
B 仕事でストレスが溜まっているでしょうと、酒、喫煙を勧めた
C 健康にいいからとドラッグ。ストアでサプリメントを購入しては飲ませた
D ストレスをまったくあたえないか、あるいは過度に与えるような会話をした
以上を根気よく続けたところ、夫は次第に肥満になり、糖尿病、高血圧、コレステロール過多になり、50歳ごろ心筋梗塞で亡くなられたそうです。この話が事実とは思えませんが、毎日のライフ・スタイルが健康寿命を保つのに如何に重要であるかを逆説的に述べたもので、些か辛い話です。
教育レベルが高い妻ほど理想的なライフ・スタイルをするという説には諸手をあげて賛同することは出来ませんが、心しておくべき結果であることには間違いありません。
年の初めに、もう一度、妻の横顔をじっと眺め、感謝しなければ、健康寿命をさらに延ばすことは出来ないかもしれません。





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