Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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その他

手術を受けることになりました NEW
2010年08月31日

       手術を受けることになりました(その1)
        山口県立大学学長・理事長
           江里 健輔


ガンは加齢現象とは申せ、できれば避けたい病気ですが、思うようにはいきません。しがし、ガンにかかるのはしょうがないとしても、早期に見つけ、治療を受けたいものです。私のような医師であれば、医学知識があるだけに、とくにそう思いますが、昔から医者の不養生と云われているように、進行ガンで見つけられ、万骨朽ちるという医師が多いように思います。これは医者の不養生ではなく、医学的知識があるだけに、ガンにかかった時、将来のマップが描け、怖いために「明日にでも検査しよう」、「明後日に」と思いながら、先延ばしするために、進行ガンで発見されることが多いのです。私はこれだけは避けたいと毎年人間ドックを受けています。検査を受ける度に、ガンがみつかったらどうしようかと不安にかられますが、その時は必ず思い直して、「人間ドックを受けなければ、ガンにならない」というのであれば、受けないでしょうが、ガンはこれらに関係なく発生するものですから、それならば早期で見つけた方が賢明だと谷底に落ちるような気持ちで検査を受けています。今年もそう思いながら病院へ足を運びました。
前立腺がんはPSAという血液検査である程度予測でき(4.0ng/dl以下:正常、4.1〜10.0ng/dl:疑い、10.1ng/dl:ガンの可能性が高い)、ガンの可能性があれば前立腺組織検査を行います。今回の検査でこれまで10ng/dl以下であったPSAが12.0ng/mlと高値になったため、3回目の組織検査でガンと診断されました。
人間の体は60兆の細胞から構成されています。その細胞の一つ一つが毎日ガン化しているのですが、自分の体は自分で守ろうとする免疫力がガン化した細胞を殺してしまので、元気で過ごしているのです。そのように考えると人間の生命力は凄いと驚愕せざるをえませんが、残念ながら、加齢に伴い免疫力が低下するので、ガンにかかる頻度が高くなってきます。私は1991年、発熱、頻尿、排尿困難などの症状が突発的に現れ、前立腺炎と診断されました。その際、PSA値は3.2ng/dlで正常でした。抗生物質の投与で症状は完全に消失しました。それ以来、毎年、PSA検査を受けてまいりました。平成14年、PSAが4.2ng/mlに上昇しました。担当医は「炎症があるので、このくらいのPSA値は問題ありませんよ。組織検査する必要はないでしょうが・・・」という意見でありましたが、白黒をはっきりさせたい私の気性で、是非とお願いし、組織検査を受けました。結果は陰性で、ガンはないと診断され、ほっとしました。しかし、検査が陰性であるから、ガンでないとは云えません。何故なら、細い穿刺針で35mm大きさの前立腺を10カ所ぐらい無選択に穿刺して組織を摘出するのですが、ガンが小さい時にはガンに的中しないかぎり、ガンと診断されません。極めて早期に発見されるかどうかは残念ながら運、不運があるといえます。そのような不安を抱えながら、PSAを毎年検査していました。PSA値は毎年上昇し、5.42ng/mlから、2008年には6.5ng/mlとなりました。そこで、再び、組織検査を受けましたが、ガンは発見されませんでした。このようにゆっくり上昇するのは炎症と加齢現象のためであろうと思いながら、ガンではないという確証は持てなくて、不安な状態でした。




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