Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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風のとき(宇部日報)

足腰の強い日本を NEW
2011年01月10日

             足腰の強い日本を
           
山口県立大学学長
               江里 健輔

辛かった平成22年を懐かしみ、新しい年に展開されるドラマに期待と不安を抱きながら、新年を迎えられた皆様が多いことと思います。
円高、ドル安、尖閣、普天間基地、領土など挙げればきりがないほど多くの問題が先送りされています。いずれも地球がグローバル化し、各国と良好な互恵関係を保つことが求められ、それには豊かな、そして、深い経験がなければ解決出来ない問題であることを当然のこととして明確に見せつけたられたに過ぎません。
赤ちゃんは子宮の羊水という水の中で10ヶ月間浮いた後、産道という狭い道を通過し、空気のあるこの世に出てきます。子宮の中での安住の地から不安の地に移るのですから、それを取り除くため、「おぎゃー」という大きな泣き声となるのです。また、母親は赤ちゃんが子宮の中で聞いた鼓動をこの世でも聞かせるように左腕で抱擁し、育てているのです。やがて、赤ちゃんは這い、よちよち歩きを始め、次第に成長します。このように、何事にも周到な準備期間が必要なのです。しかしながら、某大臣が
「私は管内閣のため、国民のために頑張っていますが・・」
と当然のように発言されるのを聞き、「ちょっと順序が違いませんか?」と云いたくなります。
相撲ならまず、四股を踏み、厳しい稽古を繰り返しながら足腰を鍛えます。しかし、今の社会では、いきなり、準備期間もなく晴れ舞台に出て、演技するので、その未熟さを大衆にさらけ出している人々が多いように思えてなりません。

今年こそ、それぞれの立場で、強い足腰を持った経験豊かな人間に成長したいものです。



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