Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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その他

活用しよう、セカンドオピニオン
2010年10月18日

  活用しよう、セカンド・オピニオン
       山口県立大学学長・理事長
              江里 健輔

今、大学人に求められていることは自ずからの研究成果を社会に還元することです。山口県立大学は「地域貢献型大学」を校是として、山口県内の市・町に出かけ、いろいろな情報提供を行っています。この度、本紙に「心と身体の健康」と題して、山口県立大学の諸先生が自分の研究をエッセイの形でわかりやすく掲載することになりました。期待して下さい。

突然、自宅の電話がなりました。
「叔父ちゃん、和子(仮称)が血を吐いたから、すぐ来て!」
顔面蒼白で、口にハンカチをあてがって、不安そうな和子の姿に接することになりました。吐ぶつには食物も混じっていましたの、胃出血であることがすぐわかりました。
「確か、和子さんは1年まえに、近くの医師で胃カメラを受け、異常ないと言われていたね」
と尋ねたら、その通りだという返事でした。翌日、精密検査を受けさせしたところ、胃ガン、それも進行ガンでした。即座に私が手術しましたが、既に局所リンパ節に転移し、数年以内の再発は免れない状態でした。幸いにも、7年間元気でしたが、8年目に再発死亡しました。
和子の場合、1年の遅れが生死の分かれ目であったのです。最初の診察で、正診されていれば、リンパ節転移はなかったかも知れません。転移がなければ、再発しなかった可能性が十分考えられます。どうして、その先生の診察で満足することなく、他の医師の診察、セカンド・オピニオンを活用しなかったのかと悔やまれて仕方ありません。今では、セカンド・オピニオンは診療報酬に算定されていますので、積極的に活用して欲しいものです。そうすれば、身内で発生したこのような辛い経験はなくなるでしょう。
昔から、「医者選びも寿命のうち」と言われていますように、自分の身は自分で守るあらゆる手だてを駆使すべきです。



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