Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

身長が高い人ほどガンに罹りやすい NEW
2011年08月23日

            防府日報
          (平成23年8月23日)

        身長が高い人ほどガンに罹りやすい
              山口県立大学学長(理事長)
                      江里 健輔

以前、@身長170cm以上、A国立大学出身、B次男の三つの条件を備えた男性を結婚対象として女性が望んでいたというような時代がありましたが、身長とガン発生に関する奇妙な研究が報告されました(http//www.carenet.com/news/・・より引用)。
1996〜2001年に英国で実施された「Million Women Study」を分析した今回の報告では、登録された約130万人の中年女性を、平均9年間追跡しています。対象者は登録時、乳ガンスクリーニングを受け、乳ガンに罹患していないことが確かめられ、さらに非黒色腫性皮膚ガンに罹った病歴もない女性達でありました。その結果、長身の人は、身長の低い人に比べ、ガンを来す割合が高いということでした。すなわち、身長が4インチ(1インチは2.54cm)高くなるごとに乳ガン、卵巣ガン、子宮ガン、大腸ガン、白血病および黒色腫などのガンが約16%増えたということです。研究をまとめたオックスフォード大学のジェーン・グリーン博士はこれまでの研究からもこのような傾向は男女を問わず、また、アジヤ人、ヨーロッパ人、北アメリカ人などの人種を問わず認められたと述べています。米国ガン協会のエリック・ジェイコブ氏は「この研究結果に神経質になって、背が伸びないように努力したり、長身の人が特別にガンスクリーニング検査を受ける必要はない。因果関係は明らかではない。ただ、仮説として、身長の高い人は成長関連ホルモンレベルが高く、それがガン発生の増大をもたらしている可能性がある」と述べています。
しばしば、小児期に牛乳をお茶のように毎日沢山飲ませれば背が高くなると云われていますが、身長は小児期の食事や健康状態、遺伝子およびホルモンなどさまざまな因子に影響されますので、生活習慣と深い関係があるのは確実のようです。
生活習慣病と云えば、ガン予防としていろいろなサプリメントが販売されています。しかし、いずれの商品にもガン発生を低下させる根拠あるサプリメントはありません。丸山ワクチン、最近ではアガリスクがガンから生還させると過大宣伝され、多くの患者さんが使用されましたが、まったく、効果のないことが判明し、いまや完全に忘れ去られてしまいました。今、はっきりしていることは喫煙がガン発生に大きな因子であることだけです。上記の研究報告のように、背が高いことがガンを発生するのではなく、背を高くする因子とガンを発生する因子が同じであるためであるのかもしれません。
この研究から女性が身長170cm以上の男性を好むのが適切でないと言い切るのは早計かもしれません。




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