Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

テレビを長く見ると、寿命が短縮する? NEW
2011年12月13日

          

       テレビを長く見ると、寿命が短縮する?
                山口県立大学学長
                     江里 健輔

貴方は1日のどれくらいテレビを見ていますか?
最近、テレビ離れと言われています。理由はいろいろあるでしょうが、何時でも、どこでも見れるインターネットの普及、および利用時間の増加によることもその1因かもしれません。ちなみに、2005年度のNHKの「国民生活時間調査」によれば、日曜日にテレビを見る時間は10代男性では1995年3時間34分であったが、2005年2時間52分に減少したとのことです(2005年国民生活時間調査報告書、2006年2月20日より)。しかし、70歳代以上の人は1日5時間以上テレビを見ているのではないでしょうか?現役を引退した友人などは毎日がテレビの子守をしているようなものだとぼやいていましたし、その上、最近は画面に字が出るようになり、聴力の衰えた高齢者にも見やすくなりました。高齢になるにつれてテレビを見る時間は確実に長くなっているものと思われます。
「毎日6時間、テレビを見ていると平均寿命が5年短縮」という論文を読みました(メデイカル・トリビューン、2011,10,13).それによりますと、Veerman博士(クイーンズランド大学公衆衛生学部)らは2008年のオーストラリアの人口および死亡と糖尿病・肥満などの生活習慣と25歳以上オーストラリア人のテレビ視聴時間と平均余命との関連について検討しました。その結果、テレビを1日平均6時間視聴する人は見ない人に比べて平均余命が4.8%短くなると推定されると報告しています。
理由は定かではありませんが、長い間の坐位が心筋梗塞や脳卒中による死亡リスクが高めることは良く知られています。エコノミック症候群は長い間、機内で座っているために、静脈血栓が生じ、それが、起立した瞬間に肺動脈を閉塞し、突然死するもので、一時、マスコミで問題視されたことあありました、いずれも、運動不足によるもので、テレビ視聴時間と寿命との間に相関関係がありそうにも思えます。同博士は「今後、これらの数値が寿命に反映していることが確認されれば、テレビ視聴方法は公衆衛生上の問題と見なすことが出来る」と述べています。
テレビを長時間続けてみるのではなく、途中画面から目を外し、体を動かせば、平均余命の短縮は防げるかもしれません。そう言えば、海外旅行していると、機内で体を動かすようなプログラムを設けている航空会社がありました。
人間、動ける間は動いた方が体に良いい、ということでしょう。




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