Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
執筆情報 [詳細ページ]
癒やしのそよ風(ほうふ日報)

食事の順序と血糖値 NEW
2012年04月13日

                 
          食事の順序と血糖値
             

好きなものが何時でも自由に摂れるようになるにつれて、糖尿病患者が増え、1955年に比べ、2008年には35倍となっています。血糖値は食後、30分から60分をピークになりますが、この上昇を抑えるために、膵臓からインスリンが分泌されます。しかし、インスリンの分泌が少なかったり、効きめ悪い場合には糖尿病となります。糖尿病そのものは怖くありませんが、その合併症として神経障害、網膜症腎不全、さらに動脈硬化による心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。そのために、糖尿病患者の平均寿命は男性68.0歳(一般男性の平均寿命は77.6歳)、女性71.6歳(一般女性の平均寿命は84.6歳)と、それぞれ.9.6歳、13.0歳短命です(日医雑誌、2012,140,11号より)。そればかりか、失明、腎不全による人工透析などの治療も必要になることが多く、日常生活が低下しますので、決して見逃すことはできません。
私もその一人で、次第に血糖値が上がり、今や、糖尿病予備軍の一人になりました。しかし、薬を服用したくないため、食事療法と運動療法で、血糖値の上昇を抑えています。食事療法ではカロリーが過剰にならないようにし、一方では、食品の食べ方の順序にも気を遣っています。
山口県立大学の栄養学科の人見英里教授らの研究グループは「食べる順序」が血糖コントロールに及ぼす影響について興味ある結果を得ています(personal communication による)。それによりますと、ご飯のみを摂取した場合と野菜を摂った後にご飯を摂った場合の血糖値を比較したところ、後者で急激な上昇を抑えることが出来たとのことです、これは、野菜を先に食べる事により、野菜の中に含まれる水溶性食物繊維がご飯の糖質を包み込むことで、吸収を抑制し、急激な血糖上昇を抑えたと考えられています。一方、ご飯のみ摂取した場合と卵ついでご飯を摂った場合でも、後者が血糖値の上昇を抑えることが出来ました。これは、卵を先に食べて、ご飯を摂取した事により、卵が含んでいるたんぱく質が胃で停滞し、消化管の動きによってご飯と卵が混合されるため、消化が緩やかになるためであったとのことです。
自分の体は自分で守る、これは健康維持の鉄則ですが、サプリメントを摂ったり何も特別なことをする事なく、唯、細やかな配慮を毎日の日常生活に取り入れることで、効果があることを忘れてはなりません。




[ もどる ] [ HOME ]