Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

ガンと闘えー被体験者の本音(1) NEW
2013年05月22日

防府日報(2013,5、22)  

 ガンと闘えー被体験者の本音(1)
      山口県立大学学長・理事長
             江里 健輔

2割近くの医師が、体調を崩した時、「もっと早く受診すれば良かった」と後悔した経験があるとのことです(山口新聞、2013,5,6)。受診が遅れて理由は「忙しかった」が実に69.9%であったそうですが、「違うんじゃない?」、単に「ガン」と診断されるのが怖いだけじゃなかったの、と言いたくなります。どうも体の調子が悪い,悪いと感じながら、怖いので、「明日にでも検査しよう」、「明後日に」と、先延ばししたために、どうしようもなくなって、受診。その結果、「進行ガン」と告げられたのが実情であろうと思います。理由は簡単。医師であるために、告知された病名で、自分の命の「プログラム」が読めるから、その上、末期ガンの患者さんの果てることない苦悩・不安、断末魔を知っているからこそ、なんとなくこれには目をつむり、自分で勝手に良い方、良い方にストーリを作り、悲惨な最期を迎える医師が多いように思います。人間は、行く末が判らないからこそ、毎日、元気で、幸せに過ごせるのではないでしょうか?私はこれだけは避けたいと毎年人間ドックを受けていました。検査を受ける度に、ガンだったらどうしよう、仕事もやめなければならないだろ、家族ともお別れだな、相当な苦しみを味わうだろうと心細く、不安に駆られたものです。しかし、その時は必ず思い直すことにしていました。「人間ドックを受けなければ、ガンにならない」のであれば、受けないが、「人間ドックを受けても,受けなくてもガンに罹る」のだから、そうならば、早期に見つけた方が得だと奈落の底に落ちる気持ちで受けていました。3年前もそう覚悟しながら、自宅を背に病院へ足を運びました。
その結果、沢山のガン手術をさせて頂き、手術の被体験者だけにはなりたくないなあと思っていましたが、定められた私のプログラムを避けることは出来ませんでした。
前立腺ガンはPSAという血液検査である程度予測でき(4.0ng/dl以下は正常、4.1〜10.0ng/dlガンの疑い、10.1ng/dl以上はガンの可能性が高い)、ガンの可能性があれば前立腺の組織検査(生検と言います)を行います。今回の検査でこれまで10.1ng/dlであったPSA値が12.0 ng/dlと高くなったため、3回目の組織検査でようやくガンと診断されました。次回に、これまでの経過を。




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