Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

ガンと闘えー体の中にガン鬼がいる(その2) NEW
2013年06月18日

防府日報(2013,6,13)

ガンと闘えー体の中にガン鬼がいる(その2)
     山口県立大学学長(理事長)
              江里 健輔

人間の体は60 兆の細胞から構成されています。その内、2千から5千の細胞が毎日ガン化しているのですが、体には守ろうとする免疫力がガン化した細胞を殺すので、ガンにもならず、元気で過ごしているのです。人間の生命力は凄いと驚愕しますが、残念ながら、加齢に伴い免疫力が低下しますので、ガン細胞を殺しきれず、ガンになってしまうのです。私は1991年、発熱、頻尿、排尿困難などの症状が突発的に現れ、前立腺炎と診断され、約10日間、抗生物質の注射受けながら、自宅療養したことがあります。その際、PSA値は3.2ng/dlで正常でした。それ以来、毎年、PSAの検査を受けていましたが、高くなることはありませんでした。平成14年、PSA値が4.2ng/dlに上昇しました。担当医は
「院長は炎症があるので、このくらいのPSA値はなんら問題ありませんよ。組織検査する必要はありませんよ」
と言うことでした。しかし、私は物事をうやむやにすることが大嫌いで、白か黒かはっきりとしたい気性ですので、組織検査をお願いしました。担当医はこの検査は100%安全ではないですよ、それぐらい、院長も外科医ですので判っているでしょうね。検査後、出血してもしりませんからね、それでもと言われるなら、と投げやりな言葉を浴びせてきました。
結果は陰性で、ほっとしました。しかし、この検査は採取した細胞にガンがなかっただけで、ガンではないと言えません。何故なら、35mm大きさの前立腺の塊に細い針で無選択に10ヶ所ぐらい穿刺して細胞を採取するので、運がよくてガン細胞に的中すればガンと診断されますが、的中しないとガンと診断されません。従って、5mmぐらいの大きさのガンは簡単にみつかりません。胃ガンのように、怪しい所の細胞を採取するのであれば、確実に診断されますが、前立腺ガンの組織検査の場合は運、不運としか言いようがありません。まあ、ガンが有っても、まだ、小さいのだな、と納得し、頻回にPSAの検査をうけていました。PSA値は毎年高くなり、5.4ng/dlから2008年には6.5ng/dlとなりました。再び、組織検査を受けましたが、陰性でした。ガンじゃないのかなーと不安に思い、一方ではゆっくり高くなるので、炎症と加齢現象であろうと自分勝手な思いで月日は流れていました。次回へつづく



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