Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

ガンと戦えー再発への不安(15)  NEW
2014年07月18日

ガンと戦えー再発への不安(15) 
PAS とは
山口県立大学理事長
江里 健輔


久しぶりに会った友人
「元気かい?顔色はよさそうじゃない」
「それがそうでもないんだ」
「何かあったのか?」
友人はよう聞いてくれたと言わんばかりに
「1ヶ月前に前立腺ガンと診断され、手術を受けたんだ。幸い、転移はなく、ガンはきれいに取れたそうだ。それで、術後には抗がん剤などの治療は一切必要ないと言われ、すっかり安心しておったところ、術後1ヶ月目のPSA値が0.2ng/dl と下がりが悪いそうで、来週、PET検査を受けるようにと指示されているんじゃ。担当医もこの話しになると歯切れが悪く、表情も今一つで、こちらまで不安で。看護師に訊ねても、『先生に聞いてください』とそっけなくて」
と立て板に水のように話してくれました。
PSAとは英語の(prostate specific antigen)=前立腺特異抗原の略で、主として前立腺から精液中に分泌される一種のタンパク質です。この検査は前立腺ガンを診断するだけでなく、治療経過中の再燃・再発を見つける上で極めて有効な検査です。PSAは血液中に流れていて、健康な人では約2ng/dl 以下です。加齢(70歳以上では4.0ng/dl 以下)、前立腺肥大症、前立腺炎、外部からの刺激などでも上がります。しかし、
前立腺ガンであれば、PSA値は確実に高くなります(表参照)。このようにPSA値は前立腺ガンの可能性をチェックする上で精度の高いマーカーですが、あくまでも「前立腺ガンの疑いがある」という指標で、断定は出来ません。確定診断には、顕微鏡でガン細胞の有無を調べるため、細胞を採る生検が必要です。
前立腺全摘出術を受けますと、前立腺がないですから、ゼロかあるいは極めて低値を示します。通常、前立腺全摘出術後にPSA値が0.2ng/dl 以上では再燃・再発となります。友人の場合、前立腺は完全に摘出されていますので、術後PSA値が高いということはガンが完全に除去されておらず、残っている可能性を示します。となると、手術した意味がなくなります。担当医が不安げに話したのは、ガンが残っていれば、友人にされた手術は適切な治療でなかったことになります。
「まあ、PETの検査を受けて、その結果で相談して」
と言って、友人の体にガン細胞がなくなっていることを祈りながら、別れました。

     PSA測定値     前立腺ガンを? 見する確率

4〜10 ng/dl 25〜30%
10ng/dl以上? 50〜80%
100ng/dl以上    ガンと転移が強く疑われる
http://www.astellas.com/health/・・・・? ・・・・






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