Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

何故、お年寄りにガンが発生し易いの? NEW
2017年03月24日

ほうふ日報(2017,03,21)
     何故、お年寄りにガンが発生し易いの?
                山口県立大学理事長
                    江里 健輔

歳を重ねるとガンが発生しやすくなります。
「何故って」訊ねると、「そりゃ、歳をとったせいだよ」と答えられます。じゃ、「何故、歳をとるとガンに罹りやすくなるの?」と訊くと、頭をかしげながら「体力が弱ったせいだよ」とぼそぼそと言われます。
1)体力が弱る?
人間には体を守ってくれる細胞が沢山あります。それが「免疫細胞」です。体の機能は数多くの免疫細胞のチームプレーで保たれています。体力が弱るのは免疫細胞の機能が低下しているからです。そのような訳でお年寄りの方にガンが発生するのは免疫細胞の機能が低下しているからです。
それらの中で重要な細胞がNK(ナチュラルキラー)細胞です。NK細胞はウイルス感染や細胞の障害などによって体内に異常な細胞が発生した際、すぐさまそれらを攻撃する作用を持っています。従って、常に体内をパトロールしていますので、お巡りさんのようなものです。健康であるためにはNK細胞をいつも安定した状態にしておかねばなりません。
2) NK細胞を安定させるには?
まず、免疫細胞が全身の60〜70%ある腸の機能を整えることです。そのためにはNK細胞を活性化する食べ物を摂ることです。代表的なものは、ビタミンC,ビタミンEを含んだ食べ物、例えば、マイタケキノコ、朝鮮人参、大豆、ニンニクなどです。
3)免疫療法はガン治療有効?
ガン治療の一つに免疫療法があります。民間で行われている免疫療法には「効果あり」という証拠はほとんどありません。ホームページには、例えば「高度活性化NK細胞療法」にはもの凄く効果があるように記載されています。沢山の患者さんが、自由診療のため高額にも係わらず、お金なぞ問題じゃない、なんでもいいから治ればと、藁でもすがりつきたい気持で受けられています。ただ、肝心な治療成績、例えば、5年、10年生存率などは記載されていません。症状が軽くなった、気分が爽快になったと言うような記載はありますが、いずれもプラセボー効果(薬だと信じ込む事によって症状が軽減する事を言う。このような事は客観的な改善として現われることもある)のようなものです。真に科学的効果があれば、当局が看過する筈がありません。現在の免疫療法は一部を除いて効果ありという証拠がありませんので、飛びつかないことです。当局が認知していない治療を受けることは厳に慎むべきです。

ガンに罹らないような体をつくるには、NK細胞を活性化するような日常生活を保つように心がけることです。



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