Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

老後破算 NEW
2017年11月25日

ほうふ日報(2017,11,25)
         老後破算
         山口県立大学理事長
              江里 健輔

「老後破算」、なんど聞いても不愉快になる言葉ですが、高齢になれば、誰にでも襲ってくる可能性のある事です。一番、心配なことはお金です。何歳まで生きれるか不明なため、定年後にどれだけお金が必要なのか分からないからです。生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(平成28年度)によれば、夫婦2人の老後の最低日常生活費は月額平均22万円だそうです。定年60歳で、90歳まで生きれると仮定すれば、30年間になりますので、7千920万円となります。一般の人が厚生年金を受け取ることが出来る標準的な月額年金額は22万円余(厚生労働省のホームページより)りので、贅沢しなければ最低限の生活費が確保されるのでそれほど難しくありません。しかし、これは最低限の生活です。予期しない出費が生じるとあっという間に破算に陥ります。多少の貯蓄があっても低金利時代ですので利息を当てにすることは出来ませんし、厚生年金支給額も削減されるかもしれません。さらに、ガンや難病のような重い病気に罹ったり、寝たきりになり介護されるようになりますと医療費が大きく嵩んでしまいます。でも、子供に金銭的な負担をかけることも出来ませんし、出費はさらに増えることになります。目の前が真っ暗です。

ではどうすれば良いのでしょうか?
自立して生活出来る期間、即ち、健康寿命を長くし、自立出来ない期間を短くすることです(私は老後病脳期間と呼んでいます)。健康であれば、若干の不自由があっても、経済的・社会的不安は解消されます。生命保険文化センター(2012)は、介護期間1年未満は14.1%、10年以上は12.5%、平均4年9ケ月と報告しています。加齢を経るにつれて、体力も弱まり床に伏す期間も短くなりますので介護期間や老後病脳期間も短くなります。したがって、老後破算を免れるには高齢になっても元気で暮らせるように努めることです。
ある程度の年齢に達したら、就眠する時は元気で、朝には健やかに心臓が止まっていたら、なんと幸せなことでしょうか?



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