Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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風のとき(宇部日報)

納得できない平等 NEW
2018年03月31日

宇部日報(2018,3)  
   考えてみませんか、これからの事F
      〜納得できない平等〜
       山口県立大学理事長
              江里 健輔
ある有名な政治家が私に
「江里さん、この頃の首長さん、おかしいね。そう思いませんか?首長俸給の減額、これは異常ですね。一種のパーホーマンスです。確かに、首長さんが常識に外れの俸給を受けることは問題ですが、首長という仕事は地域の人達の生活を守る全責任があり、休日なしの過激な業務です。それに見合う俸給を受けるのは当然じゃないですか?だから最近の首長選挙が無投票、あるいはそれに近い形の選挙になるのも理解できますね。俸給をはじめ、首長を取り囲む環境を良くしないと優れた未来志向を持った人達が立候補しなくなります。これは悲劇です。小松左京の「日本沈没」じゃないですが、「地域沈没」です。
現在、格差のない社会、差別のない社会、男女平等社会の実現などという絶対的な命題の基で、平等が人類の理想にして最高規範の如く取り扱われ、歪められているように思えて仕方ありません。どう思いますか」
と。
平等には「機会の平等」と「結果の平等」があります。前者は誰もが何時でも、何でも志気があれば、挑戦できるチャンスを平等に与えるものであり、後者は誰もが完全に等しい結果を受けるように調整する平等です。
医師や関係者の意見に従わず、好きなだけ酒を飲み、タバコを吸い、好きなだけ過食などをし、晩年、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞のような生活習慣病を長い間煩い、高額の治療費を国民に負担させる人達、これに対し、バランスよい食事に心がけ、節食し、運動し、規則正しい生活を送りながら、自分の体を守っている人達がいます。健康維持志向で、両者の間には大きな違いがあります。しかし、結果平等であることが大前提の日本では受ける医療及び支払う医療費は同じです。
これは平等なのでしょうか?
では、どうすればいいのでしょうか?
星野リゾート」(長野県軽井沢町)は禁煙を職員に採用条件としています(山口新聞、2018,3,12)。このように健康維持に努力した人達を評価し、恩典を与える制度を推進することです。
今こそ、人々がやる気を出し、創造力を育み、元気になって豊かな社会を築き上げるためには、全ての人は何事にも参加出来る「機会の平等」を推し進めることが重要です。



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