Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

ゴルフで認知症予防
2018年04月27日

ほうふ日報(2018,4,26)
      ゴルフで認知症予防
         山口大学名誉教授
             江里 健輔

少子高齢化で、認知症患者が2015年525万人であったものが、2025年730万人に、2060年には1154万人と驚異的に増加することが推測されています。しかし、この疾患の根本的治療法が開発されていない現在では、言葉は悪いですが、指を加えて眺めているしか方法がありません。認知症は大別するとアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型などに分けられますが、主なものはアルツハイマー型です。この発症原因は明らかではありませんが、遺伝、環境、生活習慣など複数因子が絡みあって、リスクは、糖尿病、高血圧、うつ病、運動不足、喫煙などいずれも生活習慣に起因したものです。従って、規則正しい生活習慣が認知症発生予防になります。
アリス・ロバーツ博士は「呆ける」前にすることは
@ 恒酸化物質を豊富に含む新鮮な野菜や果物をたっぷり取り入れる
A 運動する
B 脳を活発に働かせる、例えば、刺激的な会話をする
C 脳を休ませる。毎晩6時間以上の睡眠
D 頭部外傷をさける、サッカーのヘデイングは極力さける
などを挙げています。いずれもありふれた事項ですが、と言って容易に守れるものでもありません。取りかかる人は多いですが、長く続かないのが実情です。私ごとで恐縮ですが、毎日1時間歩行を始めて、20年以上続きました。お陰様で79才の現在、1日ゴルフ27ホールでも苦労することなく容易に出来ています。効果は歩行を初めて5年過ぎた頃から感じ始めました。継続のキーポイントは自分にあったスタイルで歩行することです。インストラクターが教えるようなスタイル(背筋を真っ直ぐなど)ではとても長く続くものではありません。その点、ゴルフは年齢に応じた運動と言えます。国立研究開発法人は運動習慣がない65才以上の男女106人をゴルフ教室と健康講座教室に振り分け6ヶ月間週1回のペースで24回プレーさせたところ、「単記記憶能力」が6.8%,物語を聞いて筋書きを思い出す「論理的記憶能力」が11.2%向上したが、健康講座教室を受けた人には変化がなかったと報告しています(日経新聞、2018,03,24より引用)。ゴルフの1ラウンドあたりの運動量は体重70キロの男性で1000キロカロリーとのことです。このようなエネルギー消費効果もさることながら、自分のスタイルで歩き、良いスコアを出すために、思考錯誤しながら歩くので記憶能力が高まったと言えるのです。
医師に係る前にまず運動です。机の上での勉強は意味ありません。これが健康のキーポイントです。



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