Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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風のとき(宇部日報)

考えてみませんか?これからの事H〜ガン検診受診率の低迷の宇部市〜 NEW
2018年05月29日

宇部日報(2018,5,29)
        考えてみませんか?これからの事H
        〜ガン検診受診率の低迷の宇部市〜
          山口大学・山口県立大学名誉教授
  江里 健輔

ご承知のように、日本人の死因で最も多いのはガンで、3.5人に1人はガンで死亡しています。高齢化に伴い、ガンをはじめ生活習慣病の怖さを認識し、健康に関する情報に関心を持つ人が多くなっています。それにも拘わらず、検診を受ける人は外国に比べて極端に少ないことが大きな問題です。まさか、ガン検診の有効性について暴言とも言える冊子がベストセラーになったことが原因ではないでしょうが、ガン検診が有効であることは科学的に立証されています。
政府は早期診断・早期治療を推進するため、ガン検診率50%を目標にさまざまな対策を講じていますが、検診受診率の低迷は嘆かわし状態です。因みに、宇部市健康増進課の調査によりますと、12年度ガン受診率は肺20,5%、子宮18.5%、乳房17.0%、大腸16.9%、胃8.9%と、医学部ある市として恥ずかしい結果です。
何故、このようにガン検診受診者が宇部市で少ないのでしょうか?
一般的に検診を受けない理由として、金額、受診までの手間、検診の所要時間、検査を受けることによる身体への負担などがあげられていますが、真の理由はガンと診断されたら「死」という不安・恐怖心がつのるからではないでしょうか?確かに、ガンと診断されることの不安・恐怖はありますが、現在の医学では、早期診断・早期治療で克服することができるようになっています。この事実をしっかりと認識しておけば、ガン検診を受ける不安・恐怖心はなくなります。
私の知人で愛煙家がいました。
私が
「ええ加減にタバコ,止めたらどうだ」
と申しましたら、
「タバコを止めるくらいなら、死んだ方がましだ。仕事でストレスも溜まるし、タバコくらい吸わなくちゃ!」
と豪語していました。1年後、胸が痛いので、受診したら、「肺ガン」と診断され、すっ飛んできました
「お前の言うようにタバコ止めたよ」と申しますので
「タバコ止めたらストレスが溜まると言っていたじゃないか。ガンストレスを溜めないため、吸い続けたらどうだ」
と言いましたところ、彼は怪訝な顔をしていました。
検診も受けずに末期ガンで発見され、もがき苦しむのは愚の骨頂です。
宇部市民の方々も健康は自分で獲得するものという強い信念をもって欲しいものです。宇部市をガン検診受診率日本一にしたいですね。



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