Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

体を蝕む高コレステロール
2018年06月26日

ほうふ日報(2018,6,20)
     体を蝕む高コレステロール
    山口県立大学・山口大学名誉教授
阿知須同仁病院・顧問
             江里 健輔

コレステロールは高等動物の細胞成分として広く存在する代表的なステロイド化合物の一種で、低値でも、高値でも体に良くありません。例えば、重篤な感染、ガン、肝疾患、胃潰瘍、貧血などで低値となります。一方、高値になると、動脈硬化を発症する基になります。従って、血中コレステロール値を等閑視することは非常に危険です。
コレステロールの3分の2は肝臓で合成され、3分の1は食物から摂取されますので、高コレステロール対策には食事制限もさることながら、体内での合成を抑えるようにすることが重要です。その為には、一般的に推奨されていることはエイコサペンタエン酸(EPA),ドコサヘキサエン酸(DHA)を摂取です。
これらはデンマークのダイヤベルグ博士が発見したものです。彼は、グリーランド・イヌイット人はデンマーク人と同じ高脂肪食(脂肪の総摂取量の約40%)を取っているにも拘わらず、脳梗塞や心筋梗塞に罹患し、死亡する人が少ないことに気づきました。その理由はイヌイット人の主食はアザラシで、アザラシが主としてエサにしているのはイワシなどです。イワシには多量なEPA,DHAを含まれていることより、これらが脳梗塞、心筋梗塞発生を少なくしているということでした。この発見で、動脈硬化の予防にはイワシを中心とした青魚の摂取が効果的ということで青魚の摂取が俄に普及しました。
これらEPA,DHAには
@ 脳機能の活性化
A 皮下脂肪の代謝促進
B コレステロールや中性脂肪の運搬・排泄を促進
など作用があります。即ち、コレステロールが異常に増えれば、下げる作用があるわけです。
血管内壁に一端溜まった粥腫(脂質)を薬で除去することは不可能ですので、溜まらないようにすることが肝心です。そのためには、食生活を変える(EPA を多量含む魚類の摂取を増やすなど)、運動する、禁煙など生活習慣を変えることが大切です。
医療のお世話になる前に日常生活が規則正しいかどうか自問することです。



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