Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

サウナと精子力
2018年07月24日

ほうふ日報(2018,7,27)
            サウナと精子力
             山口県立大学・山口大学名誉教授
                      江里健輔

少子高令化で、子どもが欲しいところですが、不妊の50%は男性が原因とされています。その原因は「精子が老化する」からです。精子は精巣で作られます。精巣の働きの一つは男性を男性らしくするため、男性ホルモンを分泌します。二つ目は子孫を残すために精子を作ることです。他の臓器のように、精巣も加齢に伴い老化します。加齢に伴い精液の量が減り、1回の射精で出てくる精子は減って行きます。更に、精子の濃度、総運動精子数も減少します。精子の運動が低下すると、性行為を行っても、精子が卵子まで到達できないので、自然妊娠の可能性が低下するという報告があります。従って、精子が元気な時に妊活すべきですが、出産年齢が高齢化していること、老化はどうしようもありません。しかし、老化ですから、日常生活が著しく精子の老化に影響します。
その代表的なものが「サウナ」です。
サウナの精子の数に及ぼす興味ある論文があります(読売新聞2018,3,7)。それによると、健康な男性10人を対象に実験開始前の1回の射精で出る精子の数は約2億4千万個であったものが、週2回、80〜90 度のサウナに15分入るのを3ヶ月続けた時の精子の数は7千個に減少していました。そこで、サウナに入ることを止めた3ヶ月後には約1億7千万個に増え、止めて6ヶ月後には実験前に戻ったとのことです。このデータから、サウナは妊活中の男性は控えるべきだといえます。
精子を老化させないためには第一にすべきことは、禁煙、適度の飲酒、肥満、食生活(肉、魚を多くとる)、睡眠、精神的ストレスの軽減などの生活習慣を整えることです。これ以外の特別なことは、上記のようなサウナなどで睾丸を温めすぎないことや禁欲しすぎないないことです。禁欲が長すぎると、精子が酸化ストレスを受けるために運動力が低下すると言われています。
健康長寿を獲得するには規則正しい生活習慣を維持することが重要ですが、子宝に恵まれるためも同じようなことが言えます。



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