Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

笑い上戸に福が来る」、これほんと?
2018年08月28日

ほうふ日報(2018,8,28)
     「笑い上戸に福が来る」、これほんと?
              山口大学・県立大学名誉教授
                     江里健輔

今年の暑さはまさに酷暑ですが、これに伴い、高齢死亡者が増えています。
何故って思われるでしょうが、一言で言えば、体力の低下です。このように書けば、「そんな事、言われなくても判っちょる」と反発されそうですが、じゃ、体力って、なんでしょうか?
いろいろな検査を受けたが、異常ないのに、最近疲れが取れにくくなってきたなあ・・・、なんだか目覚めが悪い、とか、以前に較べて無理がきかなくなってきたなあと言う経験はありませんか?これはすべて免疫力が低下したためです。
免疫能は18〜20歳をピークに段々低下し、80歳を過ぎるとほぼ子ども達と同じ状態になります。
本来、我々の体には防御機能があります。細菌、カビ、ウイルスのような外敵が体に入ろうとすると、まず、皮膚・粘膜がこれら外敵を入らないように働きます。それで防御しきれない場合、体の中にある自然免疫系が活性化し、防御しますが、最終的にはB細胞とかヘルパーT細胞、キラー細胞というような獲得免疫系が防御します。健康を保つためには、これらの三段階の防御系を高めることが必要です。
どうしたら高めることが出来るのでしゅうか?
その一つに「笑い」があります。「笑い」が健康によいことは経験的にご存知だと思いますが、では、何故、「笑い」がよいのでしょうか?
「笑い」は脳に癒しと活性化を同時にもたらすと言われています(Medical Tribune ,2007,5,17付)。寄席(笑い)前後で体内にどのような変化が起きるかを検討したところ、@リラックス波のα波、活性化波のβ波が増え、A癒しホルモンのセロトニン濃度および活性化ホルモンのドパミン濃度がそれぞれ高くなり、B動脈血がアルカリ性、C血糖値の高値、D血小板凝集能(=血が固まる)の低下、E脳血流量の増加、特に、言語の組み立てに関連する左脳、記憶の中枢である脳深部の機能は高められ、その結果、カナ拾いテストの正答率の向上、誤答率の低下がみられたとの事です。要するに、「笑い」によって副交感神経が優位になり、免疫力が高くなるという事です。
同じ時間を過ごすなら、ブスっとするより、笑った方が得と言えます。
大きな口を開けて、元気よく、ワッハッハ!と笑って今日も過ごされたら如何でしょうか?



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