Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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風のとき(宇部日報)

考えてみませんか?これからの事L 〜陸の孤島〜 NEW
2018年09月23日

宇部日報(2018,9,23)
   考えてみませんか?これからの事L
        〜陸の孤島〜
      山口大学・県立大学名誉教授
             江里健輔

昭和50年ごろに比べ、平成になって、柳井、岩国、下関方面から山口大学医学部付属病院へ受信する患者さんが減少してきていました。ちなみに、平成に入って、周防大島町の患者さんに「山口大学医学部付属病院を受診して下さい」とお願いしましたが、多くの患者さんおよび家族の方が「宇部は新幹線から降りて遠いから、広島に紹介してくれませか?」と返事が返ってきたものです。
昭和50年代には、胃癌を始め大きな手術は大学病院で受けるが常識になっていましたが、各地の医療レベルが向上するにつれて、大学病院まで足を運ばなくても、ほとんどの疾患の治療を地元医療機関で受けることが可能になったことと、それに輪を掛けるように新山口駅より宇部までのアクセスが悪いという二つの点が患者減少に拍車を掛けることになりました。
現在、山口大学医学部付属病院では新病棟が建設中で、ハード面は更に改善・向上してきていますが、20年先、30年先、この病院の経営が安泰かどうかは確証できません。患者減少の傾向を止めるには大学病院しか出来ない医療の質向上に努めることは当然ですが、患者さんが容易に足を運べるようなアクセス対策を講ずることが重要です。
では、どのような対策が考えられるでしょうか?
前号で述べましたように、全ての「のぞみ」、「ひかり」号を新山口に停車させ、待たせることなく、即座に宇部に行けるようなアクセスを講じることです。当局は「必ず赤字になる」と言われますが、お客が少ないからバスを頻繁に運用しないのか、バスの運用が少ないからお客が少ないのか、鶏が先か、卵が先かの理論になります。しかし、赤字でも運用出来るのは「公」のみです。そのためには、公設民営で運用するとか、新山口―宇部間に格安の小型レンタカーなどを取り入れて赤字を少なくするなどの多種多様な方策を講じなければなりません。
どのような策にせよ、宇部市活性には市民がどこからでも、何時でも利用し易いアクセス設け、中核区に人が集まるような施策をすることがファーストです。明治時代の宿場町「三島」の二の舞にならないために。



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