Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

考えて下さい、食べる順番 NEW
2019年08月23日


    考えて下さい、食べる順番
      山口大学・県立大学名誉教授
               江里 健輔

糖尿病は厄介な病気ですね。何故なら、発症すると決して治癒しませんし、放置すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、末期には心筋梗塞、失明、さらには、透析治療が必要となるからです。となると、糖尿病に罹らない、進行しないように心がけることが必要となります。

どうしたらよいのでしょうか?

結論は血糖値が高くならないようにコントロールすることです。好きなだけ酒を飲み、好きなだけ食べて薬を飲んでも意味ありません。甘い食物は絶対に摂らない、規則正しい生活をすることで血糖値をある程度コントロールできますが、食べる順序を心がけるだけでも出来ます。
ある実験結果を示します。
米飯を食べた15分後に野菜を食べた時の最高血糖値は240mg/dlですが、米飯を食べる15分前に野菜を食べた時の最高血糖値は200mg/dlと明らかに後者の方が血糖値の上がりが前者に比べ低いです(付図参照)。要するに、同じ食事を摂取しても食べる順序で血糖値の高まりを抑えることが出来るということです。血中の糖が高くなれば、血管内皮細胞への糖の取り込みが高まり、内皮細胞が障害され、動脈硬化を来たし、最後は血管が閉塞し、心筋梗塞や脳梗塞など致死的な臓器障害を発生することになります。フランス料理では最初、前菜が出て、終わり頃、肉と赤ワインがテーブルに並びます。このように、フランス人は有史以来、肉類を最後に食べると血糖値の上がりや、酸化ストレス(人間は呼吸をすることで大気中に含まれる酸素を取り入れ、摂取した栄養素を燃やす、即ち酸化することでエネルギーを作ります。しかし、過剰に酸化されると細胞を傷つけることになる、これを酸化ストレスといいます)が抑えられ得ることを日常生活の経験から知っていたようです。
食事は毎日の習慣ですので、小さな配慮でも、その積み重ねが大きな効果をもたらすことになります。主婦の皆様、今晩から「ファースト・ベジタブル」を夕食のモートーにされませんか?



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