Kensuke Esato,M.D.
江里 健輔
 
江里 健輔
山口大学名誉教授
山口県立大学学長・理事長
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癒やしのそよ風(ほうふ日報)

不健康な食事が死亡に関係する NEW
2019年10月26日


不健康な食事が死亡に関係する
山口大学・県立大学名誉教授
江里 健輔

「未病」という言葉をご存じでしょうか?
自覚症状はないけれど、健康診断の検査値が少しずつ悪化している状態を「未病」といいます。例えば、動脈硬化や高血圧は「未病」
です。しかし、脳卒中(脳出血、脳梗塞)、心筋梗塞、大動脈瘤は病気です。これからお分かりのように、病気になる前には必ず「未病」
の期間があるということです。従って、「未病」の段階で手当をすれば、病気に罹らないということになります。「未病」の最たる原因は運動不足や過食など不適切な生活習慣の積み重ねです。
ワシントン大学などによる「世界の疾病負担研究(GBD)2017」の最新調査で、5人に1人の死が「不健康な食事」に関係するという報告がなされました(宇部日報、2019,9.18)。同研究では、195ヶ国の25歳以上の成人を対象とし、彼らの食品と栄養素の摂取状況が健康にどのように影響しているか調査しました。その結果、1100万人が不健康な食生活で死亡し、その危険因子は@塩分の過剰摂取、A全粒穀物及び果物の摂取不足であったことが分かりました。
例えば、動脈硬化は血管の病気です。血管は動脈、静脈、毛細血管から構成され、これらは全身にくまなく広がって、10万キロ以上に達し、地球を2周半するのと同じ長さに相当しますから、血管疾患は全身病です。
動脈硬化予防法にはいろいろな方法がありますが、その一つが野菜です。
厚生労働省「健康日本21」では、1日の野菜摂取量の目安は緑黄色野菜120g,淡色野菜230gとし、おすすめの食材は@抗酸化作用を有するトマト、タマネギ、リンゴ、Aカリウムを多く含むホウレン草、B水溶性植物繊維を多く含むニンニク、オクラ、など、色彩豊かな菜食が効果的とされています。ただ、これらが有効だからと言って、過剰に摂取することは勧められず、複数の野菜をバランスよく摂ることがポイントであることは当然です。
慣れた食生活を変えることは容易ではありません。しかし、食事は毎日の作業です。すこしずつでも毎日の積み重ねが、1年後、10年後に貴方に健康をもたらします。少なくとも、未病のうちに健康管理をしましょう。



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